裏万歳のカレワラ・ガイド#3 吾妻山神社を探す

まぼろしの神社「吾妻山神社」を探して

吾妻山は修験者の山です。
地元でも、ほとんどの人が見たことのない吾妻山神社を、裏万歳さんが探しに行きました...

アルバイトの裏万歳です。8月21日は吾妻山神社を目指して早朝からアタックをかけました。
オーナーの車でペンションを出発、被災地支援策で現在無料になっている磐梯吾妻レークラインを使って、中津川渓谷レストハウスまでひとっ跳び。
ここで朝食と歯磨きとトイレを済ませ、7:00に渓谷遊歩道へ下り始める。

7:20林道分岐。直進路は中津川沢登り用登山路で、本格的な沢登り装備が必要との看板がある。今回はここで右折して吾妻山神社登山口へ向かう。
8:00登山口到着。標識は壊れて傾き、荒んだ様子がイヤな予感。草むらの生い茂る緑の林道を進み、途中の鬼子母神像にお賽銭を置いて安全祈願をする。
;間もなく林道は途切れ、草をかき分けて渓流へ出る。登山道は流水に足を入れる道なき道になり、標識も見当たらず大層心細い。

渓流を抜けると今度は笹藪に突入。狭い登山路はよく踏まれてはいるが、笹藪に阻まれて泳ぐようにしか進めない。早くも蜘蛛の巣だらけに。
地図にもある通り急勾配の直登が1時間ほど続く。これでかなり体力を消耗。直登を終えても笹藪の水泳と倒木アスレチックは延々と続き、標識もなく、既に帰りたい気分。

10:45やっと「吾妻山神社」の標識に遭遇。しかし盛大に倒木が折り重なった場所に行く手を阻まれ、もしやここが目的地の神社かと周囲を調査。すると倒木の向こうに道しるべのピンクのリボンを発見。ここは神社の入口にすぎない。倒木をくぐり抜けて先へ進む。

ここからが大変な道のりで、リボンがなければ遭難間違いなしの迷路である。かき分けやすい笹藪は終わり、足元の見えないシダが道を隠す。
地図は片道3時間というが、とてもそんなスピードは出ない悪路の上、途中から猛烈な下りが続き、既に登攀4時間を超える身体は、下山用の体力まで食い潰し始める。登山者はここいらが見極め時だ。帰りの時間と体力を考慮しないと、このような人気のない山では事故に遭う。

誘うようにポツポツと見えるリボンを辿ること1時間半。12:20に神社目前の温泉沢を三つ越えたが、4つめを前にリボンを見失い、登頂を断念、引き返す。
下山とは名ばかりの登りで体力を消耗。下りに差し掛かった時には眼底が痛み、疲労の蓄積で注意力が薄れ、二度も道を見失う。下山の経緯はあまり記憶がない。出口付近の渓流へ出たのが15:30で、沢の水をがぶ飲みした辺りから頭痛が解消したp;もと来た林道をたどって中津川渓谷へ出、誰もいない岩場で手足を洗う。16:30に渓谷を発ってサイクリングロード経由で家路につく。

途中、がさつく茂みに目をやると毛だらけの黒い背中が見え、先日遭遇したサルが進化してゴリラになったのかと思ったら、振り向いた顔は熊だった。
熊は小娘のように驚いて逃げて行った。この日最後のご愛嬌である。メールで連絡していたオーナーが間もなく車で迎えにきてくれ、18:00に帰宅p;日本の山奥に祀られる神様の中には、古代の争乱に敗れた豪族首長なども含まれ、怨霊鎮めの神社であることもある。

今回目指した神社は中吾妻山の中腹にあるが、登山道は一旦かなりの標高まで登っているのに、神社は敢えて大きく下る場所に位置している。その道もかなり放置ぎみであることから、幽閉地のような印象があり、私のささやかな妖怪アンテナはへし折られたのかもしれない。実に怖い登山でした。
地図の発行元には抗議の手紙を書いて、標準タイムの訂正を求めようと思う。

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